「文武両道」に育てた方がIQは高くなる

一昔前は、賢い子供は「もやしっ子」として揶揄されていましたが、今後はそんなこともなくなるかもしれません。なぜなら、「運動が出来る子供の方がIQが高い」というデータが明らかになったからです。

「Young adults who exercise get higher IQ Scores」という論文は、タイトル通り「運動する子供はIQが高い」ということになりますが、簡単にその内容を紹介します。

  • 健康な若年成人はIQが高く、大学に進学する可能性が高いという研究成果をSahlgrenska AcademyとSahlgrenska University Hospitalが発表
  • 対象は、1950年から1976年の間に生まれた、兵役をしている120万人のスウェーデン人男性で、研究グループは、男性が登録した際の身体検査とIQ検査の両方の結果を分析
  • 結果は、良好な体力(フィットネス)とIQテストの結果には明確な相関を確認。特に、論理的思考と言語理解の能力は強い相関
  • 双子のデータを分析することにより、遺伝子ではなく環境要因の影響であると判断
  • 15歳から18歳の間に体力を向上させる若者は、認知能力を向上させることも明らかになった

どうでしょうか。なんとなくそんな気もしていた、という感想を抱く方が多いと思います。

例えば、スポーツの全国大会常連校の運動部員はIQが低いかもしれません。世代のTop of Topはスポーツについて24時間頭を使っているので、IQ云々に頭を回す余裕はないかもしれないでしょう。しかし、地方大会などに目を向けるとベスト8や16程度に勝ち残る高校には、進学校が多いこともまた事実です。勉強が出来るひとは、「そこそこ運動もしている」というのは我々の経験として理解できることだと思います。

翻って統計から理解するに、現代の知識で子育てを行うとすると、昔のように「勉強勉強」と見張りながら果てしない詰め込み教育を行うというよりも、ある程度のびのび運動もさせつつ、しっかりと勉強もさせる、という方が結果的に子供は賢くなるのではないでしょうか。事実、本当の「超一流」の進学校はこういったデータが明らかになるより前から、体育やその他課外学習をしっかりと行ってきました。例えば、兵庫県の長田高校(県下トップクラスの公立進学校)では、週に2度程度「周回走」と呼ばれるマラソンを授業に取り入れていたりもします。他にも同様の施策を組み入れている進学校は枚挙にいとまがありません。

【参考】
1.「Young adults who exercise get higher IQ Scores」(https://www.sciencedaily.com/releases/2009/12/091202101751.htm)