集中力が高い人は当然IQも高い

仕事中や勉強中、何か別のことが気になってしまって本分が手につかなくなった経験は誰しもお持ちでしょう。余計なことに気が付いてしまって、例えば家や職場の大掃除を始めてしまうとか。しかしIQが高い人はそういうことが起こりにくい傾向にあるようです。

「A Strong Interactive Link between Sensory Discriminations and Intelligence」という研究では、IQが高い人はそうしたノイズめいたものには興味関心を示さないことが示されています。

  • この研究ではIQテストの結果と「背景の視覚的ノイズ」と間違えられやすい画像を無視する傾向が相関関係にあることが明らかになった
  • 研究での視覚テストでは、「明るい色の背景に暗い色の複数の棒で描かれた複数の絵柄」について、「それが右あるいは左へと移動する」という映像を利用。被験者は「棒のパターンの移動方向」を質問され、その回答にかかる時間が測定された
  • 研究のキーポイントは、「暗い色の棒が画面に占める割合」にはいろいろな種類があること。例えば「棒が画面の大半」を占めることもあれば、「真ん中に小さなサイズで集まる」ものもあった
  • そして結果、画像が小さい場合はIQ反応の速さがおおむね相関関係にあった。つまり、IQが高い人ほど、動きの方向を素早く把握することができた。そしてその理由は、「課題に集中する能力が関係していると」と研究者は推測
  • 一方で、画像が大きくなるとIQのスコアが高いほど、パターンの移動方向を認識するのにかかる時間が増えるという、画像が小さい場合と逆の結果になった。そしてその理由を、研究者は「これも集中力が影響するもの」と結論づけている。曰く、「画像が画面の大半を占める場合には、その画像は“気を散らす”背景として処理されやすい。その観点からすると、IQが高い人ほど“気を散らす”ものを除去するのが上手く、故に大きな画像を“気を散らす”ものを無視した」
  • そして、「IQが高い人ほど、意識的思考の邪魔をする“気を散らす”ものを除去するプロセスにより多くの時間をかけている」と考察した

要すれば、「一つの物事に集中し易い人は、IQが高い人(である傾向がある)」ということが言えます。

実際、IQテストでも特に子どもにおいては、「そもそもIQテストに集中できる子どものIQが高い」という傾向も観察されています。数時間に及ぶIQテストを集中し続けることができる子どものIQが高いというのは、納得感がありますね。

【参考】

1. 「A Strong Interactive Link between Sensory Discriminations and Intelligence」(https://www.cell.com/current-biology/fulltext/S0960-9822(13)00494-6?_returnURL=https%3A%2F%2Flinkinghub.elsevier.com%2Fretrieve%2Fpii%2FS0960982213004946%3Fshowall%3Dtrue)