IQが高い人は死にやすいので戦争に行かないほうがよい

戦争映画を見ていると、当然人が死にます。主人公をバカにする味方が死に、他の部隊が丸ごと全滅し、頼れる上官が死に、陽気な盛り上げ役が死に(このあたりで映画なら後半戦になる)、冷静な同僚が死に、主人公の親友が死に、そして最後に言葉は交わさずともその強さを理解し合い、「別の場所で会えたなら真の友になれただろうに……」というような敵が死んで、最後に数十年後主人公が家族に見守られながら死ぬ――というのは、戦争映画の定番ですね。要すれば、全員死にます。

しかし、現実はそうはなっていません。もちろん死にやすい傾向の人というのは存在します。イメージでは、少し間の抜けたお調子者が死にやすいのでは、と予想するかもしれません。

実際には、「IQの高い真面目な人が死にやすい」ということが、スコットランドの記録で明らかになっています。「Intelligent soldiers most likely to die in battle」という記事では、戦死者とIQの関係について以下のように述べています。

  • 第二次世界大戦中、ドイツ軍との戦いで生き残ったスコットランド軍人のIQは戦死した軍人のIQよりも低かった。戦死したスコットランド軍人491人が11歳の時受けたIQテストの平均点は100.8であった一方、生存者平均は97.4であった
  • 第二次世界大戦は以前の戦争よりも頭脳が要求されたことから、調査を実施した教授曰く、「前線により熟練した軍人を配置する必要があった」
  • 更に同教授は原因を「より知能の高い軍人には、軍務を全うしたいという傾向が強く、そのために危険に瀕することになる」と求めている
  • なお、将校の平均IQは121.9、下士官の平均IQは106.7と平均より明らかに高い

要すれば、戦争が難しくなったために賢い人が必要になり、更にそういう人は義務感が強いため、その相乗効果でIQが高い人が相対的に死にやすくなった、ということでしょう。

現在、日本では有事の際には招集した兵ではなく、自衛隊が出動することになっています。そして、自衛隊においては高い階級の人材の多くは防衛大学校出身です。その防衛大学の入試難易度は定量的にも定性的にも高いということは周知の通り。そういった自衛官の方には、当然職務を全うして欲しいという気持ちも一国民としてはありますが、その身を少しは案じて欲しいと願わざるを得ません。もっとも、他国の脅威がないことを優先して願ってはいるのですが……。

【参考】

1. 「Intelligent soldiers most likely to die in battle」(https://www.newscientist.com/article/dn16297-intelligent-soldiers-most-likely-to-die-in-battle/#ixzz6r7IUxico)