IQテストのような問題で試験選抜されることは多い

知能指数(IQ)という指標がもてはやされて久しい。それなりにフェアに知能を測定できて、公平に人の能力を比較できるというのが人気の秘訣なのでしょう。あくまで「それなりに」というところを理解せずに使っている人がほとんどですが……。

それでも、その「それなりな」指標は日本で市民権を得ているようで、いろいろな試験で直接的に、あるいは間接的にその指標は使われています。

その代表例は、高IQ集団のMENSA(メンサ)の入会方法です。MENSAが用意した試験を突破することでも入会は出来ますが、別所で実施したIQテストの結果を持ち込んでも入会は出来ます。MENSAに関してはIQで選抜した集団を作るのが目的ですので、妥当でしょう。

また、いわゆる「お受験」でもIQテストの結果は利用されています。東京都中野区に構える私立宝仙学園小学校では、「推薦入試を受ける場合、知能指数が125以上」というものを一つの条件にしています。なお、同校曰く「「125以上」というのは、推薦入試を受けるための条件の1つということだけで、合否は推薦内容と当日の試験の成績で決まります。従って、この数値が高いからといって、そのために有利にはたらくということはありません。」とのことで、これはIQテストの結果を「それなりに」利用しており、全幅の信頼を置いていないという意味で妥当な使い方と言って差支えないでしょう。そもそも、お受験ではIQテストに類似した問題が出ることは多いですので、一貫してもいます。

ちなみに、IQテストというのは以下のような問題がその代表例として挙げられます。

そして子供だけでなく、成人もIQテスト類似の試験によって選抜されます。その筆頭格が、SPIテストと呼ばれる試験です。SPIテストとは、正式名称を「SPI総合検査」といい、リクルートが提供している適性検査で、多くの企業で採用の際に用いられています。現在では1万社以上の企業がSPIテストを導入しており、受験者も200万人近い状況で、日本で最も受験されている試験の一つと言えるでしょう。

ここでは上記のようなあからさまな知能テストのような問題は出ませんが、IQテストの延長線上にあるような問題が出ます。

更に、CABやGAB呼ばれる商社・金融・証券・総研のなどの領域でSPIと同じような位置づけとなっている、就活生のための試験です。問題は驚くことに、IQテストとほぼ同じ、そっくりと言ってもいいでしょう。

(問題例:ONE CAREERより)

公務員試験でも同様で、クイズのような問題で受験者を選抜しています。もちろん、ここでも試験の一部だけで、当然IQテストだけ訓練していても突破できるわけではありませんが、「法則を見出す」など求められる能力は非常に似通ったものがあります。

そういうわけで、我々は意識しなくてもIQテスト様の問題に選抜されていると言えるでしょう。IQテストは簡単な練習や読書、瞑想などでその能力が向上できることは既に研究によって明らかになっていますので、折々にその能力を伸ばすことは趣味と実益を兼ねて素晴らしいことなのではないでしょうか。もっとも、MENSAレベルまで引き上げるのは才能とかなりの努力を要求されますが……。

【参考】

1. 「宝仙学園小学校HP」
(https://www.hosen.jp/guidance/qa/)

2. 「ONE CARRER」
(https://www.onecareer.jp/articles/819)