高いIQのみを特化して測定できるハイレンジIQテスト「CAMS」とは?

元来、IQテストというのは発達障害含む疾患や精神遅滞の状況などを発見し、適切な対策を施すためのものです。そのため人の優劣を測定する指標ではなく、ましては優秀な人を探し出したりすることは主目的ではなく、それが実施されるとすればあくまで副次的な目的でありました。

一方で、潜在的なニーズとして「優秀な人を探す」あるいは「自分が優秀かどうかを測定する」ことは常に存在します。学校のテストの結果を見て一喜一憂したり、あるいは優越感を覚えたりすることを誰も止めることはできません(倫理的にどうか、ということはさておき)。

そして実際、「高いIQ」のみを測定することに特化する試験が存在します。例えば日本国内では、「CAMS (Cognitive Ability Measurement Scale) 」と呼ばれるテストがあります。

このテストは一般財団法人高 IQ 者認定支援機構が開発した高域知能検査であり、同法人曰く、「図形の行列推理問題を用いて、時間的な圧力の少ない状況で高い推論能力を発揮する力、すなわち、少ない情報から隠された法則性を見つけ出す能力を測定すること」を目的としています。そのために、「CAMS は単に知識の量や記憶力に限らないより高次の認知能力を測ろうとする心理検査を目指している」として、全36題の項目から構成されるテストを受験させ、標準偏差15でIQ115からIQ180の間を主な測定範囲としています。つまりは、平均近辺ないしそれ以下の測定を主目的とはしておらず、高いIQのみを対象としているということです。

その思想に違わず、同法人は「特別な適性を持つ人材」を発掘し、これらの人材が社会で活躍する道筋をつくることを目的とする、と宣言しています。また、その目的はテストの実施及び認定のみならず、高IQ保持者の発掘・活用にも及んでいます。

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さて、そのCAMSテストですが、検査の概要は以下のようになっています。

検査内容:高度な推論能力の測定を目的とした図形問題(記述式)

適応年齢:満16歳以上

検査時間:180分間(休憩2回 + 60分間の検査を3回)

測定範囲:IQ115 sd15 – IQ180 sd15程度

受検料:8,800円(税込)

申込方法:一般財団法人高IQ者認定支援機構WEBサイトで申し込み(会場・日時を選択)

「一般財団法人高 IQ 者認定支援機構HP」 (https://www.hiqa.or.jp/)

特に目を引くのは、「検査時間180分」という超長丁場の設定です。これは、同法人が「ある程度の時間をかけて難問に取り組み、その過程の中で『閃めき』を得る」といった種類の能力」が現代では求められていると理解し、そういった能力の発掘に注力している証左でしょう。一方で、限られた短い時間内に答えを見つけ出す能力は、社会生活の中で必要とされる能力の重要な一部ではあるとも認めています。

その与えられた180分の中で、問題は36問。当然いずれもWAISなどの試験と比較して、難問ぞろいです。

なお、最初に申し上げた通りCAMSは何らかの医療的な行為に相当するものではありませんので、そのあたりをご理解いただいた上で受験されることを推奨します。