身の回りに「本気を出すとすごいけど、いつもは昼行燈」な人はいないでしょうか。そういう人の能力を図るには、本当の佳境に投入して、そこでの働きぶりを見るより他はありません。
一方で、普段から働き者の人は、平時でも有事でも実力通りのパフォーマンスを発揮します。こういう人の能力は普段観察していれば分かりやすいため、その能力を把握することは比較的簡単です。
こういうことが、IQテストにおいても起きているようです。「What Does IQ Really Measure?」という記事では、まさにそのことが指摘されています。
- IQ テストの点が高い子供はその後の人生において学問的にも経済的にも成功を収める傾向があるという研究結果。そういう人は良好な健康状態を維持し、長寿でもある可能性
- これは全て「知能が高い」からだけではなく、IQ テストが「試験に対しその子供がどれだけのモチベーションを持って臨むか」ということを測っているからという考察
- 生まれつきの知能だけではなく、このモチベーションこそがその後の人生の成功にとって重要である
特にティーンエイジャー含む子供は「かったるい」や「だるい」など反抗的な態度をとることが多くあります。特に、不良が少し入ったような子供はその傾向が顕著に見られます。
しかし、そのような子供が全て低いIQの持ち主なわけではなく、中には目を見張るような才覚を持っている子供もいます。またずば抜けたIQの持ち主でなくても、通常と変わらない子供も当然います。全ての不良のIQが低いという研究成果は今のところ確認はされていません(もしかすると、そういう傾向はあり得るかもしれませんが)。
しかし、彼らは知能検査(つまりは、IQテスト)をかったるいと言って、その計測機会をサボタージュしたり、あるいは手を抜いて上の空で実施することも多いのではないかと考えられます。IQテストの中には集中力を過度に要するものがあり、またあるいは積み木のような(彼らからすると)子ども扱いされているような試験もあります。そういったものを多感な時期に真面目に受け続けるというのは、なかなかどうして難しいことかもしれません。
そうすると、不良っぽい生徒のIQテストの結果は、その実態よりも芳しくないものになり、そして優等生(あるいは、不良でない大多数の生徒)の検査結果は相対的に高いものとして感じられます。このように理屈で考えると、「テストへのモチベーションが高い人」の方が良い知能指数という「検査結果」を得てしまうというのは納得感がありますね。
【参考】
1. 「What Does IQ Really Measure?」(https://science.slashdot.org/story/11/04/25/2141243/What-Does-IQ-Really-Measure)