高IQ団体MENSAの会員になることと人生の成功は関係が無い

高IQ団体MENSA(メンサ)は、「全人類のIQ上位2%の人」のみが入会資格を得られるかなり狭き門です。

一般に、IQ上位2%の人というとかなり「優れた人」を思い浮かべるのではないでしょうか。そしてその「優れた」というと、おそらく人生の勝利者のような生活(例えば貧困なイメージで恐縮ですが、タワー・マンションの最上階で、生活感のないオシャレな部屋に住んでいて、休日は郊外の別荘にて自前のワイン・セラーからゲストの好みに合わせたものを選び、パーティをする)を思い浮かべるのではないでしょうか。

しかしそんなことはありません。IQが高いだけが人生の成功を収められるわけではありません。東大生でも人生に失敗(失敗の定義は人よって異なりますが)する人もいますし、逆に田中角栄のように学歴がなかったとしても、スターダムにのし上がっていく人もいます。

実際に、MENSAにはいろいろな人が所属しています。公式HP曰く、

「メンサ会員の年齢は4歳から94歳に亘っています。学歴においては、小学校卒から高校中退、あるいは、複数の博士号所持者などいろいろです。 会員の経済的な地位、職業の範囲もさまざまで、教授もいればトラックの運転手もいる、科学者や消防士、コンピューターのプログラマー、 農家、芸術家、軍人、音楽家、労働者、警察官、ペンキ職人といかにも多様です。 有名なメンサ会員、さまざまな賞の受賞者もいれば、名の知れないごく普通の会員もいます」

その中には、当然社会的に成功した人も、そうでない人もいるでしょう。上述の東大生の例に倣えば(東大生はIQの平均が120らしいので、多くの人がMENSA入会資格を本質的には保有していると言えます)、統計的にはそうなります。

MENSAというのはあくまで高いIQの持ち主が集まる団体でしかなく、それ以上でもそれ以下でもないわけで、成功を約束された(あるいは、した人)が集う場所では決してありませんし、その事実によってMENSAの価値が変わることもありません。実際、インタビューを受けたあるMENSAのメンバーは「MENSAのメンバーであるというのは、「論理に強い」ということを意味するだけです。それ以外の意味はない」と語っており、おそらくそれは公式の見解に比較的近いでしょう。

ちなみに、MENSAはIQが高ければ犯罪者でも受け入れています。それはネガティブな意味ではなく、ある種のセーフティーネットとしても機能しているように思えます。

【参考】

1. 「JAPAN MENSA HP」
(https://mensa.jp/about.html)

2. 「トップ2%のIQ集団「MENSA」メンバーが明かす「天才」と「頭がいい人」の違い」
(https://courrier.jp/news/archives/122582/)