瞑想をするとIQが上がるという事実

今の世の中、どっちを見ても瞑想ブームですね。スティーブ・ジョブズやビル・ゲイツも瞑想をしているという話もあり、またダイエットや精神衛生にもよいという話でもあり、とにかく老若男女問わず万物に良いということで瞑想ブームここに極まれり、という状況かと思います。一昔前はヨガの付属物というイメージで、ダルシム的な印象しかなかったのが隔世の感です。

ところが瞑想というのは中々続けるのが困難です。今の世の中、これもどっちを見ても娯楽だらけですので、10分間暗闇の中で瞑想をするというのは、スマホを開けばTwitterやその他娯楽が蔓延しているこの状況では、なかなかどうして難しいものです。実際、瞑想は筋トレとかと同じくトレーニングの一種ですので、気軽に始めても続けるのは困難です。

そういうわけで瞑想もトレーニングの一種ですので、筋肉ではないですが精神に効果があります。とりわけ、知能指数(IQ)にも。

「Want to Raise Your IQ by 23 Percent? Neuroscience Says Take Up This Simple Habit」という記事では、米国応用精神生理学学会脳波フィードバック部門のトップをかつて務めていたSiegfried Othmer氏がそれを証明したことを取り上げています。

  • 被験者の脳波フィードバックを調査してみたところ、瞑想した被験者のIQは平均で23%上昇
  • 更に1年後も瞑想した被験者のIQを向上効果は持続しており、創造性、集中力、自己認識力も顕著に向上

また、別の研究「Mindfulness meditation improves cognition: Evidence of brief

mental training」では、被験者が1日に20分間の瞑想を4日間続けると、記憶力と認知能力が著しく向上することを示しています。

瞑想しているだけでなんで……と思うかもしれませんが、これはトレーニングなのです。20分を4日「だけ」というのはなかなか大変なことなのです。

なお、瞑想が「効く」理由には諸説あります。

  • 深く瞑想すると脳の活動も遅くなることが脳に小休止を招く
  • 集中と自律神経系の制御をつかさどる神経が、瞑想により活性化する
  • (ストレスが減少し)テロメラーゼ活性が高くなり、テロメアが長くなる
  • 安静時コルチゾール値が低くなる

など。もしかすると、「瞑想をしている」という状態そのものがプラセボを呼んでいるかもしれません。

【参考】

1. 「Want to Raise Your IQ by 23 Percent? Neuroscience Says Take Up This Simple Habit」(https://www.inc.com/melanie-curtin/want-to-raise-your-iq-by-23-percent-neuroscience-says-to-take-up-this-simple-hab.html)

2. 「Mindfulness meditation improves cognition: Evidence of brief mental training」
(http://jtoomim.org/brain-training/Zeidan2010_Mindfulness_Meditation.pdf)

3. 「ハーバード医学教授が教える健康の正解」(書籍)