読書という気の長くなるようなIQ向上の正攻法

本をよく読む人は頭が良いような気がしますね。日本で言えば、例えば二宮金治郎(二宮尊徳)の本を読みながら歩いている像はあまりにも有名です。また、フィクションでも読書を趣味としているキャラクターは、大抵チームのブレインに収まることが多いです。

実際にも、本を読む人はIQが高いという研究結果がいくつか確認されています。

「Does Learning to Read Improve Intelligence? A Longitudinal Multivariate Analysis in Identical Twins From Age 7 to 16」という研究では、そのような結論を導き出しています。

  • 英国のエジンバラ大学とキングスカレッジロンドンの研究者は、双生児初期発達研究の一部であった約2,000組の一卵性双生児の読書と知能テストの結果を比較。なお、この研究では双子の参加者はいずれも同じ家族環境で育ったものを被験者とした
  • 結果、同じ兄弟よりも早期の読書能力が優れている双子は、年をとっても読書が上手であるだけでなく、一般的な知能テストで双子よりも高いスコアになることを発見。更に、早期の高い読解力は、語彙や一般知識の向上だけでなく、非言語的知性の向上にも関連
  • 同研究を主催者は「読書が上手になると語彙が増えるのは当然のことだが、非言語的知性に影響があったことは驚くべきこと」
  • 更に続けて、読書の効能について「読書は、読書中に他の人、場所、物事を想像する必要があるため、子供たちが抽象的な思考を使用するように訓練するのに役立つ可能性がある。これは、IQテストなど、より一般的な問題解決タスクで役立つ。また、読書のために座ってタスクに集中する機会が増える可能性があり、これも知能テストのパフォーマンス向上に役立つ」

上記の結果を鑑みれば、明らかに読書はIQの向上に有力です。

また、研究に頼らずとも感覚的に人々は読書の有効性を理解していました。例えば、アインシュタインは「頭のいい子に育てたければ、おとぎ話しを読んで聞かせればいい。もっと頭のいい子に育てたければ、もっとおとぎ話しを読んで聞かせればいい」と語っており、日本でも苫米地英人氏が「15歳若返る脳の磨きかた」の中で、「IQの高さというのは、実は読んだ本の数にほぼ正比例しています」「たくさん本を読めば読むほど(IQが)高くなる」「読書はIQを高める一番の手段」と断言しています(あくまで一人の経験に基づくものに近く、眉唾な可能性はありますが)。

いずれにせよ、我々の抱いていたイメージの「読書する子は頭が良さそう」というのは間違っていないようです。

ちなみに、「Sandburg: More Screen Time for Toddlers is Tied to Poorer Development」という記事では、American Academy of Pediatrics(AAP)より「すべての子供と10代の若者は、毎日少なくとも約8時間の睡眠、1時間の身体活動、およびメディアから離れる時間を必要としている」として、スクリーンタイム(ディスプレイを眺めている時間)がこれに悪影響を与え、余波で読書の時間が減るということを不安視しています。

要すれば、「若者よ、スマホを捨て本を読め」ということでしょう。

【参考】

1. 「Childhood reading skills linked to ‘higher intelligence’ in young adults」(https://www.medicalnewstoday.com/articles/280193)

2. 「Does Learning to Read Improve Intelligence? A Longitudinal Multivariate Analysis in Identical Twins From Age 7 to 16」
(https://srcd.onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/cdev.12272)

3. 「Sandburg: More Screen Time for Toddlers is Tied to Poorer Development」
(https://www.sps186.org/schools/sandburg/?p=22673&i=779199)