WAISなど、「妥当性のある」IQテストの一覧

世の中にはIQを測定できる試験(所謂IQテスト、知能検査)はたくさんありますが、医学的に利用されているものの数はそう多くはありません。そもそも、インターネットで受験できるようなものは正式なIQテストではなく、どちらかというと「クイズ」や「なぞなぞ」に近いものかもしれません(無論、ピンキリですが)。

まず、国問わず最も普及しているのはウェクスラー成人知能検査、通称「WAIS」です。これは初版(Ⅰ)は1955年2月に出版されましたが、その発端は1939年に発表されたウェクスラー・ベルビュー知能検査であり、最も伝統あり、かつ信頼度の高い検査と言えるでしょう。WAISは16歳以上の成人用に標準化され、また児童向けウェスクラー式知能検査としては「WISC」が利用されています。どちらも更新が重ねられ、2021年現在ではいずれも第五版となっております。

また、国内では「田中ビネー知能検査」もしばしば利用されています。こちらも伝統があり、1947年に初版が出版されました。その後改定を経て、現在は第五版となります。日本国内で実施する場合は、田中ビネーかWAIS系のいずれかをのいずれかを選択することになることが大抵です。

人の手

中程度の精度で自動的に生成された説明

「K-ABC心理・教育アセスメントバッテリー」というものも存在します。大きな特徴は、知能検査では唯一、基礎学力を計る学習習得度の評価も取り入れており、学習支援を目的として「認知尺度(認知処理力)」と「学習尺度(基礎学力)」を測定できることです。

「DN-CAS 認知評価システム」というものも存在します。この特徴は、言語的知識や視覚的知識にあまり頼らずに認知活動の状態を評価できるよう工夫されているため、新しい課題に対処する力を見るのに適していることです。

簡易なものとしては、「レーヴン色彩マトリックス検査」があります。レーヴン色彩マトリックス検査は、知能の流動性の側面を測定する検査で、大きな特徴は実施時間が15分ほどと、1時間を優に越える他の試験よりも圧倒的に短い検査であるということと、適用年齢の範囲が45歳以上と、子どもを対象にしていないことが挙げられます。そのため、短時間かつ簡便に行うことのできる検査として、失語症や認知症の検査として広く使われています。

上記に紹介した以外のも、医師やそれに準ずる医療従事者は測定技法を持っている場合があります。また言うまでもありませんが、受験される方の目的に合わせた検査を行うことが強く推奨されます。

【参考】

1. 「DN-CAS認知評価システム」
(https://www.nichibun.co.jp/kensa/detail/dn_cas.html)
2. 「心理・教育アセスメントバッテリー KABC-Ⅱ」
(https://surala.jp/assessment/kabc2/lp/)
3. 「知能検査とは?知能検査の種類、受診方法など」
(https://h-navi.jp/column/article/35025608)